「恋ころび」 友桐夏*1 短編なので、長編のようにどんでん返しは期待しない方がよいのかとも思っていた。 だけれども、大きくはない、転ぶという表現がぴったりの、そんな転換点が、二つ三つと用意されていた。 これまでの三つの物語の、女性らしい繊細な転…

「シフト」 西崎憲*1 「世界の果ての庭」では、ちいさな物語を積み重ね、その中のちいさな繋がりを、すこしずつ、重ね合わせて、と言う物語と見ました。 本作も、一見そういう風には見えないものの、やはり、中心がはっきりしているだけで、まとまっている物…

「セリヌンティウスの船」 石持浅海 「扉は閉ざされたまま」と同様に、ディスカッションで全てが進んでいくという物語。 本作では、回想シーンが端々で挿入されるものの、ほとんど全てがリビングルームの中で進行される。 純粋に論理のみで展開される物語は…

「春待ちの姫君たち」 友桐夏 デビュー作で、かくもトンデモナイ物語を世に出してしまった、その後の第二長編であった。 果たしてどのような球を投げ込んでくるのか、注意して球筋を読みながら読んだ。 話の六割くらいは、一章の終了と共に大まかな想像は誰…

「ひだまりゼリー」 浅野真澄 Webで公開されている日記を読んだときから、読ませる文章を書く人だな、と思っていた。 きっと出版社がオファーを出すことになるだろうなとも、思っていた。 そして、この本が世に出て、そして手に取ることになった。 予想も期…

上記の感想で内容に誤解を招きかねない部分がありましたので、部分的に修正しました。

「天使のナイフ」 薬丸岳 今年の江戸川乱歩賞受賞作。 あいかわらず、主人公は普通の人ではなくて、何か特殊なスキルないし状況下におかれている、と言う作品が受賞している。 まあ、それはさておき。 情報の提示の仕方が上手いのでするすると読めてしまう。…

「美女」 連城三紀彦 短編集である。正直言って読む人を選ぶ本だと思う。 結果、何が起こったのかが分かり難いのである。 恋愛小説のように見せかけて途轍もないどんでん返しの連発という趣の作品が並んでいるが、 そのどんでん返しについての解説が言葉を尽…

「猫丸先輩の空論」 倉知淳 物語自体はしっかりしており、楽しめるのではあるが、解決が強引に展開されているように感じさせるうらみがあり、全くそうではないのではあるが、トリックと手がかりだけを引き抜いた物語のような印象を与える部分もあった。 「ふ…

「六とん２」 蘇部健一 「六枚のとんかつ」は世間が言うほどひどくはないと思っていた。 ただ、この本は別だ。 図書館から借りてきていたため実行には移さなかったが、壁に向かってぶん投げる、真っ二つに引き裂くなどの行為を実際に行いたくなるほどひどか…

たまたま懐が暖まるイベントがあったので、目当てのモノ以外だって買ってやるくらいの勢いで言って参りました。 しかし、辿り着いたのが１３時半頃だったので、その肝心のモノが売り切れという事態になっているのは想定の範囲内で。 結局購入したのは「Natur…

アップルのiMac G5欲しい！

「おまけのこ」 畠中恵 「しゃばけ」より続く「妖怪シリーズ」の四冊目。 前作の難解さが嫌われたか、うってかわって一冊目のようにオーソドックスな人情話、探偵話。 安心して読むことができるという風に今作は言えると思うが、冒険心を失っているようにも…

「犬はどこだ」 米沢穂信 いままでの学園を舞台にし続けていた作品とはうってかわって、今作はえらく真っ正面からのハードボイルド。 チャンドラー的、と言うよりもロスマク的なハードボイルド作品と言えよう。 終幕の後味の悪さが、いままでの作品と著しく…

教習所から帰ってきてかなりの間をおいてはいたのですが、今日漸く免許試験場へ行って来ました。 難易度が高いだの何だのとかなり煽られてはいたのですが、思っていたより問題の難易度が高くはなく、あっさりと合格することができました。 で、免許をもらっ…

「彩雲国物語 黄金色の約束」 雪野紗衣

自宅に帰ってきて、久しぶりにゲームセンターへ。 KOFの新作がでていたのでプレイ。 前作は、あの難易度激高のSNKらしさが帰ってきたかな、と思わせるような作品でした。 けれど、今作はいつものように三人目にこてんぱんに伸されておしまい、ということにな…

「スピードグラファー ２」 仁木稔

「容疑者xの献身」 東野圭吾 本格ミステリ史に残るであろう逸品。 「刑事コロンボ」のように犯人側・探偵側の二視点で物語が進む。 トリックだけ取り上げてみれば実にたいした事のないもの、と言いきっても差し支えないのだが、それをプレゼンする手筋が鮮や…

前月の１５日より自動車教習所に合宿に行っておりました。 その甲斐あってようやく卒業検定に合格し、後は学科試験を残すのみとなりました。 食事のバリエーションがあまりなくて、「僕たちには野菜が足りない」と叫び出しそうではありましたが、何とかそん…

「ブルースカイ」 桜庭一樹

本日より、自動車教習所での合宿免許取得という苦難が始まりました。 初日より、夜間かつ雨天という悪条件の中での運転という苦行を経る事となりました。 日程通り順調に進む事はできるのでしょうか？

「ふつうの学校２」 蘇部健一 「女王様と私」 歌野晶午 「写楽・考 蓮丈那智フィールドファイルIII」 北森鴻

「ふつうの学校」 蘇部健一

「銀盤カレイドスコープ Vol.5 ルーキー・プログラム Candy Candy all my rules」 海原零

「すべてのものをひとつの夜が待つ」 篠田真由美 「小生物語」 乙一 「猫泥棒と木曜日のキッチン」 橋本紡 「グイン・サーガ102 火の山」 栗本薫 「憐-Routine-」 水口敬文

「グラスホッパー」 伊坂幸太郎

「蒲公英草紙 常野物語」 恩田陸

[book]今日の読了本 「万物理論」 グレッグ・イーガン 一年近くかけて、読了。 時間がかかった分、忘れていることも多いけれど、ビックリ感ではそこらの大したことのないミステリを軽く凌駕する。

「魔術師が多すぎる」 ランドル・ギャレット 一時期論争の種になっていたSFミステリ。 版元でも品切れだか絶版だかなので、入手して読むにしても古本屋か図書館か、といったところだろう。*1 本格ミステリの世界に、魔法を持ち込んだ、ということで刊行当時…