今日の読了本

セリヌンティウスの船」 石持浅海

「扉は閉ざされたまま」と同様に、ディスカッションで全てが進んでいくという物語。
本作では、回想シーンが端々で挿入されるものの、ほとんど全てがリビングルームの中で進行される。
純粋に論理のみで展開される物語は、読み慣れない人にとってはきっと苦痛になることでしょう。
とはいえ、舞台のような動きのあるものに翻案された場合、きっと輝きを増すことになるだろう物語でもありました。
ただ、ミステリとしてみた場合、動機の面がどうしても気になってしまうのが惜しいと思うのです。
納得させてもらいたい。けれど、なんだか納得がいかない。本作の動機は、どうもそのような立ち位置にあるように、私には映ってしまったようです。