今日の読了本

「ひだまりゼリー」 浅野真澄

Webで公開されている日記を読んだときから、読ませる文章を書く人だな、と思っていた。
きっと出版社がオファーを出すことになるだろうなとも、思っていた。
そして、この本が世に出て、そして手に取ることになった。
予想も期待も裏切られなかった。
声優関係のエッセイなどを見ると、どれもこれもしゃべり口調がベースになっていて、ラジオなどで聞いている様子とまったく変わらない、読むとなると少々煩く感じるような文章がほとんどなのだ。
だが、この人は違うのである。
騒がしい文章ではなく、静かな、凪いだ海のような文章なのだ。
それに、エッセイのパートごとに、何かしらのオチが付いており、そういった面でもほかのものと一線を画しているように思う。
意図して付けたように感じさせないその素っ気なさが特に。

この人は、ラジオでの様子と日記の様相がまるで別の人格を飼っているかのように、異なっている。
そのふたつの違和感を繋ぎとめるものとして、掲示板の書き込みがあるように思う。
日記の場合は、いかに砕けた書き方をしないようにするか、に精力を集中しているように思う。