市川智士　『WITCHBLADE LOST GENERATION　碧の少女』

アニメ本編が、非常に好みなので、スピンアウト、外伝も面白いのかと思い、読んでみた。
分量のせいもあるのかもしれないが、非常に淡泊で、薄味の作品。

コミック*1や、
放送中のアニメの設定を組み込むことが規定事項だったのか、
その手の描写がありはするのだが、全体から見るとどうしても浮いている。
美しくない。

キャラクターの立ち位置も、コミック版*2とこころなしかかぶり、
差別化を図るために取り入れたであろう主人公が病弱という設定が、
物語を短くまとめるための装置としてしか機能していないのが惜しい。

対する敵が、最終的に単一の人物に矮小化してしまい、
どことなく物足りないものになってしまったのもマイナスポイント。

周囲の人物の心理描写は行き届いているので、
非常に読みやすくはあるのですけれど、
設定の都合上ヒロインの心理描写が微妙に官能小説じみてしまうのがご愛嬌。

*1:アメコミ、チャンピオンRED掲載中のもの