C.S.ルイス 『朝びらき丸 東の海へ』

ナルニア国物語』全七巻のうちの一作。
書かれた順序でいえば三作目、年代別に並べ直すと五作目に当たる。
ライオンと魔女』でもあったのだが、意地悪い性格のキャラクタが、とある出来事に遭遇してよい子になる、というのがこの作品でも反復して行われている。
ライオンと魔女』における変貌と比べ、描写が増えているので説得力を増してはいるのだが、そんなに簡単に人は変われるのか、と疑問を持たずにはいられないのは変わらない。
よくよく読むとご都合主義の固まりのように思えるのだが、それでも楽しく読ませるのは児童文学であるがゆえか。