今日の読了本

仁木稔 『スピードグラファー 3』

昨年放送されたテレビアニメーションのノベライズ、最終巻。
本編を見始めたのがこの間のベースになっている辺りだったので、
どのように変えてきたのか、と言う楽しみ方が出来た。
文章メディアであるから、動きのあるシーンに関しては確実に負けている。
ではあるが、映像では表現しにくい内面描写、状況の説明に関しては上回っている。
利点と欠点を把握の上、それを大いに活用して構築された伽藍、と言ったところ。
音声の表現がないから、新人声優の演技が持つ不安感、なんてものも感じる必要もないから。
小説家の新人、それは演技者の新人に感じる不安感など抱きようもないわけで。
ただ、読みやすい文章、分かり易い表現、それがあれば下手な演出など不要。
過剰な演出がその文章の興を削ぐという事になりかねない。
声の演出は、標準的な会話表現よりも過剰なものでなければそれを見るものにはほとんど伝わらないのだから、
ある意味より難しいという事も言えるのだろうが。