8月の読了本

ギリギリ一日一冊に届かなかったのはまあ、自分が悪いのだ。
そんなハイペースで読むのは……もう、これからはそうそうないのかもしれませんが。

8月の読書メーター
読んだ本の数:28冊
読んだページ数:9137ページ
ナイス数:76ナイス

アニメクリエイター・インタビューズ  この人に話を聞きたい  2001−2002アニメクリエイター・インタビューズ  この人に話を聞きたい  2001−2002
アニメーションのクリエータで、監督、演出、美術、原画、キャラデザインなどの多岐にわたるジャンルの人たちへのインタビュー集。十年前の内容なので、インタビューイが亡くなってしまったり、インタビュー中に出てくるひとが亡くなってたりとかなりの転変を感じることができる。そんな変わってしまう部分もある一面、変わらない部分、斯くあるべきという部分もあり、アニメファンで制作側に興味のあるひとは、必読、という内容だと思う。願わくは、これ以降の連載も単行本化してもらいたいものです。
読了日:08月21日 著者:小黒 祐一郎
ココロコネクト ステップタイム (ファミ通文庫)ココロコネクト ステップタイム (ファミ通文庫)
物語を締めに入っているせいか、作品中の時期の振れ幅が大きかったような。そして、前巻に引き続き今巻の末尾でもまたきな臭い終わり……!もどかしい、けれど読み手の側からは一切手を出せない、物語を読むことの愉悦を感じられたような。
読了日:08月18日 著者:庵田定夏
丸太町ルヴォワール (講談社BOX)丸太町ルヴォワール (講談社BOX)
強力なお薦めを受けつつ読めていなかったのですが……読んでみてこれは!と唸るお気に入りに。あまりに目まぐるしく状況が変わって、お仕舞いに至っては混乱を来すほどではありましたが、これは、良いものでした。ファンは、NR収録の短編も必読だね!
読了日:08月18日 著者:円居 挽
黒猫の接吻あるいは最終講義黒猫の接吻あるいは最終講義
三部作とかになるか、と思ってたら二部作、になったと見ていいんですよね?タイトルに最終、とあるし。美学、の講義はポーの作品よりもむしろ芸術分野に傾斜しているようにも見えて。前作の短編積み重ねと違い、今作は長編一発、より深く掘り下げられたようで、その点はすごく好もしく。長編であるがゆえにいっそうこころ揺さぶられるところもあって、なんだか、不思議な読後感。
読了日:08月17日 著者:森晶麿
ココロコネクト ユメランダム (ファミ通文庫)ココロコネクト ユメランダム (ファミ通文庫)
Fate/stay night衛宮士郎の問題、だよねえ。ここでようやく<ふうせんかずら>のやろうとしていたことが、見えてきたんでしょうか。相変わらず痛い青春群像劇でありますけれど、いよいよお仕舞いが見えてしまっている、というのは、すごく寂しい。終わらない物語になってしまって終われなくなるよりは、よっぽどいいといえばいいんですけれどね。
読了日:08月17日 著者:庵田 定夏
神さまのいない日曜日II (富士見ファンタジア文庫)神さまのいない日曜日II (富士見ファンタジア文庫)
約束の丘の、その先を巡る物語、でしょう。思い通りに行かないのが世の中なんて割り切りたくないから、いろいろ聞いて行動に移すのですよ。行動に移さず後悔はしたくない、という主人公が眩しく映ります。読了しないとあとがきの内容の意味がピンと来ない、というのもなかなかしゃれていて。ドキドキです。
読了日:08月16日 著者:入江 君人
鍵のかかった部屋鍵のかかった部屋
『狐火の家』まではドラマ放送前に読めていたのだけれど、今作はドラマ放映前には読めず、感想には映像化の影響は避けられないわけで。ドラマ版にはいた第三のキャラクターがいない分、原作はスマートに終わっている印象。全般的に映像的な話が多かったなあ、と。ドラマ見ちゃったせいもありますが。最後の『密室劇場』に関しては甲乙つけがたいなあ……ドラマ版は映像ならではのアドバンテージを生かして、こちらはこちらでうまいぐあいにスラプスティック
読了日:08月16日 著者:貴志 祐介
人類は衰退しました 7 (ガガガ文庫)人類は衰退しました 7 (ガガガ文庫)
前半は、なんかタイムリーに学校の話!苦笑いが止まらないとはこのこと。後半は、なんだか普通の、むしろこのシリーズとしてはイレギュラーな話じゃないの、と思っていたら最後で背負い投げ。いやあ、おもしろかった。
読了日:08月14日 著者:田中 ロミオ
人類は衰退しました 6 (ガガガ文庫)人類は衰退しました 6 (ガガガ文庫)
アニメの三話/四話でこの本の後半をいきなりやっちゃったのね……これは危険、混ぜるな危険。これは……相変わらず、日本の文化、特にTVと書籍関係を把握していないひとが読むと、全く意味もわからず面白くもないということになりそうな気がしますが……日本に生まれて良かった。
読了日:08月14日 著者:田中 ロミオ
人類は衰退しました 5 (ガガガ文庫)人類は衰退しました 5 (ガガガ文庫)
前半はともかく、後半は30代以上のレトロゲーマーにしか通じないような、そんな部分が多々あって、ああ、これが文化文明の発展、衰退、と。こういう結果的に文化になってしまったものを守らないとますます衰退していくよね、と本編とは無関係の主張を垂れ流してみる。シュール。
読了日:08月14日 著者:田中 ロミオ
六花の勇者 2 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)六花の勇者 2 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)
×××かと思ったらまだその裏があったぜ……若干後付けのように見える論理ではありますが、そのための伏線はそれなりに張られているという!かなり胃がキリキリ痛む話たちなので、大量の服用には勇気がいりますね!なにやら不穏な話が5章の末尾とかエピローグに描かれてますが、綺麗な結末で終わってくれることを祈ります。『ロードス島伝説』みたいな悲劇は、もうこりごりなんだ!
読了日:08月13日 著者:山形 石雄
六花の勇者 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)六花の勇者 (六花の勇者シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)
なるほど、そうきたか。六人しかいないはずのものが、七人。果たして、嘘つきは誰か、というのがざっくりとしたあらすじで。その嘘つきを、嘘つき以外誰も除かずに導き出すまでの筋道、この世界ならではで、たいへん堪能。最後の数ページの衝撃も、忘れがたいものがありますな。
読了日:08月12日 著者:山形 石雄
ココロコネクト ニセランダム (ファミ通文庫)ココロコネクト ニセランダム (ファミ通文庫)
繋いだ両手は、もう解けない。一年間、幾多の出来事を超えた絆は、そう簡単には、壊れない、ということですね。通過儀礼、だったのでしょう、そんな絆の輪に加わるための。この輪の中に入ってみたい、と思ってみたりもしますが、きっと太一爆発しろ!ということになると思うので、こうして脇で傍観しているだけにしたいと思います。ああ、おもしろかった。
読了日:08月11日 著者:庵田 定夏
トリックスターズC〈PART2〉 (電撃文庫)トリックスターズC〈PART2〉 (電撃文庫)
ライヘンバッハの滝から墜落した名探偵は……空き家の冒険で帰還する。果たして、何を模倣していたのか……それをわたしは見誤っていたようだ。ぐるぐるぐると目まぐるしく回っていく展開に、はわわ、と翻弄させられるだけのわたしでありました。目次の下にちょこのんと書かれていることといい最後の挨拶に相応しいはなしであったのではないでしょうか。帰還を、心待ちにしております。
読了日:08月11日 著者:久住 四季
トリックスターズC〈PART1〉 (電撃文庫)トリックスターズC〈PART1〉 (電撃文庫)
リアルタイムで読まなくて良かった――と思って良いのかもよくわからないくらいの、宙吊りのエンディング。ここで一ヶ月待たされたのは……シャーロック第一シーズンの最終話から一年待たされたよりは優しいけれど。模倣犯、という割には犯行そのものを模倣していないように思えるのは気のせい?下巻の感想に続く。
読了日:08月11日 著者:久住 四季
トリックスターズM (電撃文庫)トリックスターズM (電撃文庫)
作品としては右肩上がり、な雰囲気だったけれど、今作に来てついに来たるべき時、下り坂が来てしまったな、という印象。探偵小説は問題がはっきりしているようでいて……そもそもそれを理解していなければ解けない問題もあり。今作は(以下数文字略)抜け出すことの出来ぬ脱出ゲームの中に、まだいるのかもしれませんな。
読了日:08月10日 著者:久住 四季
トリックスターズD (電撃文庫)トリックスターズD (電撃文庫)
一作目を読んで相当経っているので、それについては該当しそうな部分だけ流し読みしてから挑み。朧気すぎる記憶であったから、いっそうペテンにかけられた!これは箱の中なのか外なのか、ぐるぐる目が回って、まだ自分が夢の中にいるのではないか、あの暗い闇の閉じられた箱の中に居続けているのではないか、という眩暈巻があり。さて、Mへ進もうか。
読了日:08月10日 著者:久住 四季
トリックスターズL (電撃文庫 (1174))トリックスターズL (電撃文庫 (1174))
硝子で構築された金字塔は、崩された。崩す手法はこの作品ならではで、多すぎるようでいて実は同数であった魔術師は自覚はしていても他人には悟られていなかったということで。実は『うぐいす』以来の久住四季、どういう手できていたかな、とふらふらしていたのですが、読んでみて、ああ、真っ当、と。つくづく刊行当時電撃にこういうのを求める人が少なかったことが惜しまれる。『時飛び』以降沈黙しているような気がするんですが、次回作、首を長くして待ってます。
読了日:08月09日 著者:久住 四季
聖断罪ドロシー01  絶対魔王少女は従わない (角川スニーカー文庫)聖断罪ドロシー01 絶対魔王少女は従わない (角川スニーカー文庫)
帯のコピーに騙されたっ……!世直し逃避行というからには、水戸黄門よろしくこの紋所が(ryと思っていたら、ドロシーがかわいいじゃないか……!かわいいは、正義!それを虐げるやつらは、わるいやつだ!彼らの旅は始まったばかりだ、と終わらないよう、応援していきたい所存。
読了日:08月08日 著者:十文字 青
クロス×レガリア  嵐の王、来たる (角川スニーカー文庫)クロス×レガリア 嵐の王、来たる (角川スニーカー文庫)
三田さんは実にうまいな、と思わされた一冊。前巻と今巻が序破急でいうところの序だったのかな、と。バトルはあるものの、世界観説明的な部分が多かったですしね。ジャパニーズ妖術とSF的オーバーテクノロジーの科学が交差するとき、物語がはじまる……!というやつで。今回は、中国仙術というよりむしろそっちだったですね。うっかりレンタルマギカの世界観に接ぎ木する可能性もありますけど、これはこれで進めて欲しいなって。干渉がはじまると、何で今まで関与してこなかったんだ!と余計なところに気がいってしまうのでw
読了日:08月08日 著者:三田 誠
クロス×レガリア  吸血姫の護りかた (角川スニーカー文庫)クロス×レガリア 吸血姫の護りかた (角川スニーカー文庫)
どちらかというと洋物の魔法世界を舞台にした作品の後は、中華系魔法、仙術の世界へ!ヒロインが哪吒太子女体化という荒技は日本ならでは。物語はまだはじまったばかり!という雰囲気なので、続きがすごく気になります。中国語学習者として一点だけ気になったのは、蓮花のルビが「リエンフア」でなくて「リヤンフア」だったこと。せっかく口絵のローマ字表記が正確なのに……!
読了日:08月08日 著者:三田 誠
ヘンたて 幹館大学ヘンな建物研究会 (ハヤカワ文庫 JA ア 7-1)ヘンたて 幹館大学ヘンな建物研究会 (ハヤカワ文庫 JA ア 7-1)
おもしろかった!浜村渚シリーズでは年の差があるからおそらく忌避していたであろう恋愛要素も、こちらでは盛り込まれていて!建築学、というよりむしろ考古学的な推論の積み重ねが面白かった。クイズで培ったであろう雑学の堆積集積がまた、ドキドキさせる要因の一つであったのですけれども!
読了日:08月07日 著者:青柳 碧人
浜村渚の計算ノート 3さつめ 水色コンパスと恋する幾何学 (講談社文庫)浜村渚の計算ノート 3さつめ 水色コンパスと恋する幾何学 (講談社文庫)
どう見ても三篇目のサブタイトルが北山猛邦さんリスペクトだなあ、と思ったら、Birth版あとがきにその旨書かれていてああ、と頷き。二篇目のサブタイトルに込められた意味はDCTを聞くとわかるなあ、とか思ったり。段々そういったくすぐりが増えてミステリっぽさは薄れている気もしますが……わたしは、好きです。
読了日:08月07日 著者:青柳 碧人
浜村渚の計算ノ-ト 2さつめ ふしぎの国の期末テスト (講談社文庫)浜村渚の計算ノ-ト 2さつめ ふしぎの国の期末テスト (講談社文庫)
今日は浜村渚祭り(というか立て続けに読んだだけ)。前作より使われている数学の内容の難度は下がっているものの深みは増している、なんて思ったり。覆面算とn進数のコンボはさすがに数学を苦手としていたわたしとしては戸惑わざるを得ない。ケーニヒスベルクの橋、は「QED」の某エピソードを読むともっと煙に巻かれるかも、とか思ったり。
読了日:08月06日 著者:青柳 碧人
浜村渚の計算ノート (講談社文庫)浜村渚の計算ノート (講談社文庫)
あなたは、すうがくが、きらいですか? 数学は、道半ばにして脱落したわたしですが、興味だけは人一倍あって。はじめは気付かなかったものの、章を表す数字、ああ、なるほど、と膝を打って。変化球のミステリとしては非常に面白い、収穫であるなあ、と。数学に全く興味のないひとに対して提供するには二の足を踏みますが、少しでも興味を、愛を持っているひとなら、きっと楽しめるんだろうなあ、と。
読了日:08月06日 著者:青柳 碧人
明治断頭台  山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)明治断頭台 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)
山風の明治ものは初体験。斯くも巧妙に史実の人物を織り交ぜて、山風明治史ともいえる極彩色の絵巻を描き挙げているのは驚嘆に値する……のはいうまでもなく。とかく豪腕。さんざ傑作だなんだとハードルを上げられつつ読んだのですが……あまりに軽々と超えて行かれていろいろな意味で恐怖、を覚えました……
読了日:08月06日 著者:山田 風太郎
ココロコネクト クリップタイム (ファミ通文庫)ココロコネクト クリップタイム (ファミ通文庫)
FB ONLINE掲載分はここまでのシリーズの空白期間を埋めるエピソード、書き下ろし分は次作へのプロローグなんだろうか。今回の四篇、通じていえるのは、ぼくたちわたしたち、ずっとトモダチだよ、的なほんわかした雰囲気。短編シリーズはギスギスした雰囲気ではなくて箸休め的な安心感がありますな。なにやら不穏な空気を残して巻が閉じられたことだけが気になりますが!
読了日:08月03日 著者:庵田 定夏
世界を売った男世界を売った男
第二回島田荘司推理小説賞受賞作。一応香港には旅行をしたことがあるので、ああ、だいたいこんなイメージの場所でしたなあ、と記憶の中の情景とオーバーラップさせつつ読んで。本格ミステリでは結構お約束のモチーフを、現代科学の知見とうまくミクスチャーしたというあたり、島田荘司の理想に手堅く合わせてきたのかな、という印象があります。図らずも使われているモチーフが『鬼畜の家』と若干被っているのがなかなか興味深かったり。
読了日:08月02日 著者:陳 浩基

2012年8月の読書メーターまとめ詳細
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