12月の読了本

最後の最後でかなりスパートがかかった月。
結構ぶっ飛んだ本を多く読んだかなあ、とか思います。

12月の読書メーター
読んだ本の数:23冊
読んだページ数:6736ページ

機動戦士ガンダムUC(2)  ユニコーンの日(下) (角川スニーカー文庫)機動戦士ガンダムUC(2) ユニコーンの日(下) (角川スニーカー文庫)
物語は加速度を増し、といったところ。ガンダムのいろいろなお約束ごと、という枷をものともせず、新たな地平を切り開こうとしているところがまたすごい。感歎するほかない感じだ……
読了日:12月31日 著者:福井 晴敏
機動戦士ガンダムUC(1)  ユニコーンの日(上) (角川スニーカー文庫)機動戦士ガンダムUC(1) ユニコーンの日(上) (角川スニーカー文庫)
福井晴敏書くところのガンダムは、これが二シリーズ目。ヒゲはノベライズという名のほぼオリジナル、こちらは純粋なオリジナル。オリジナルということもあってか、まだストーリーの動きが、うねりが緩やかなのが気になりますが、結構するする読めます。ほとんど福井さんの文章なのですが、時折垣間見える富野節にニヤリ。
読了日:12月30日 著者:福井 晴敏
五声のリチェルカーレ (創元推理文庫)五声のリチェルカーレ (創元推理文庫)
ジークフリートの剣』と併せて読むことで、どのようなミステリを書いていこうとしているのかが明確になった気がする。方向性が方向性のため、物語が全体的に地味になってしまうのは致し方ないところか。この本は特に、登場人物の思想が、作者の思想と直結しているわけではない、ことを念頭に置いて読むべきかも。
読了日:12月29日 著者:深水 黎一郎
刀語 第十二話 炎刀・銃 (エントウ・ジュウ) (講談社BOX)刀語 第十二話 炎刀・銃 (エントウ・ジュウ) (講談社BOX)
前巻のだらけぶりは、この間のこの熱量のためと漸く納得できた。幾多の登場人物使い捨てるその勢い、すごいなあ、と。愛着もへったくれもなく、ただ、斃れ逝く。傑作でした。ラノベ、という媒体を許容する人にとっては、特に。
読了日:12月27日 著者:西尾 維新
刀語 第十一話 毒刀・鍍 (ドクトウ・メッキ) (講談社BOX)刀語 第十一話 毒刀・鍍 (ドクトウ・メッキ) (講談社BOX)
ここまではもうアニメを見てしまってから読んでいるのであった。結末は知ってはいるけれども、活字で読むとまた違った印象があって。序盤がページ数稼ぎに思えるとか。SF的展開は想像とは外れていてかつあまり個人的好みでない方向性でしたが、まあ。表紙絵が軽くネタバレ気味なのは、アニメの見過ぎ、というやつなのでしょうね。
読了日:12月27日 著者:西尾 維新
刀語 第十話 誠刀・銓 (講談社BOX)刀語 第十話 誠刀・銓 (講談社BOX)
最後は真っ当な刀でないことはもう判っていて、それ以外では一番刀らしくない刀の収集のハナシ。これこそ西尾維新西尾維新らしいところ、言葉で煙に巻くところの真骨頂を見た気がする。
読了日:12月27日 著者:西尾 維新,竹
刀語 第九話 王刀・鋸 (講談社BOX)刀語 第九話 王刀・鋸 (講談社BOX)
とうとうアニメの放送に追いつけないまま、読み始めて。すごく真っ当に終わった、そんな感じ。刀自体は真っ当なのか訝しかったけれど。アニメ版の脚色の見事さを痛感する、そんなこの巻。
読了日:12月27日 著者:西尾 維新,竹
ヴィーナスの命題 (角川文庫)ヴィーナスの命題 (角川文庫)
感想の書きにくさでは一二を争うという感じ。ミステリだけど……けして初心者には勧められない、ましてやハルヒを読んでミステリに手を出した人たちをや。グラグラ来るけど、慣れないと全く藪の中で終わることになるでしょう。次回作を座して待つ。
読了日:12月20日 著者:真木 武志
ぶち猫―コックリル警部の事件簿 (論創海外ミステリ)ぶち猫―コックリル警部の事件簿 (論創海外ミステリ)
まさに鬼畜と言わんばかりの、論理と狂気のアクロバット。落ち穂拾いとなる短編集、大抵の場合は微妙な作品が混じるのですが、捨て作品のない水準の維持ぶりがまたすごい。イギリス人女性作家の作品はこわいという認識を、植え付けられつつあります。
読了日:12月16日 著者:クリスチアナ ブランド
喜嶋先生の静かな世界 (100周年書き下ろし)喜嶋先生の静かな世界 (100周年書き下ろし)
学生の時にこの本を読んでいたら、どう感じただろう?そんな疑問を抱いて本を閉じた。文系の人間よりは理系の人間のほうが共感するのだろうな、とか思ったりもする。文系人間の私だけど、非常に読んでて考えさせられたのでした。
読了日:12月15日 著者:森 博嗣
蒼穹のカルマ4 (富士見ファンタジア文庫)蒼穹のカルマ4 (富士見ファンタジア文庫)
1巻から引っ張ってきた問題を回収したようなしないような。今までの話からこの表紙を見て内容を想像できるひとがいたら神だ!創造力が、羨ましい。
読了日:12月13日 著者:橘 公司
蒼穹のカルマ3 (富士見ファンタジア文庫)蒼穹のカルマ3 (富士見ファンタジア文庫)
本編、進まないんじゃないの、と思わせる始まりながら、あれよあれよと物語は進み、伏線張るわ回収するわの大騒ぎ。なんじゃこりゃあ。
読了日:12月13日 著者:橘 公司
ペンギン・ハイウェイペンギン・ハイウェイ
SF大賞受賞作。セカイを、革命するチカラを!今までの森見さんの作品とは、ひと味ちがうようにも思えたのですが、お姉さんに対する視線が、今まで通り、変わらぬ愛情あふれたものでしたので、なんだかほっとするのでした。きゅーきゅーきゅーと!
読了日:12月12日 著者:森見 登美彦
“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)“文学少女”と恋する挿話集 1 (ファミ通文庫)
甘酸っぱくって、ほろ苦くって。ニヤニヤするか、頬を赤らめるかするような、そんな話が揃ってます。よかったです。
読了日:12月11日 著者:野村 美月
セカンド・ラブセカンド・ラブ
読了して、表紙を見返すと、ぐぬぬ、と声が漏れる。『イニシエーション・ラブ』はほとんど読み返すこともなく、ああ、と仕掛けに気付けたのですが、こちらは、何度か行ったり来たりをしないと見えなかった。自分の読解力、落ちたのかなあ、とか思ったり。
読了日:12月11日 著者:乾 くるみ
墜落世界のハイダイバー (角川スニーカー文庫)墜落世界のハイダイバー (角川スニーカー文庫)
ある意味冗談みたいな三題噺的要素の組み合わせの物語ではあるのだけれど、かっちりとした設計思想に則って作られていて、あれよあれよと見たこともない場所へと連れて行ってくれる。次巻も期待です。
読了日:12月09日 著者:六塚 光
“文学少女”と月花を孕く水妖 (ファミ通文庫)“文学少女”と月花を孕く水妖 (ファミ通文庫)
ここまで読んだこのシリーズ、自分と何かかみ合わないものを感じていたのだけれど、見直した。日常の謎(というには陰惨ですが)として残されたテキストを読み解く、自分の中で想像していたこの作品の、あるべきところにぴたりとハマったというか。こういう系統が続くといいなあ、とか思ったり。
読了日:12月08日 著者:野村 美月
蒼穹のカルマ2 (富士見ファンタジア文庫)蒼穹のカルマ2 (富士見ファンタジア文庫)
アホだ、こいつ……。まともっぽいひとは相変わらずほとんどいないですな。長編なのだけれど、結末に向けて一つ一つのイベントをこなしていく短編集のようにも思え、なかなか興味深く感じております。
読了日:12月07日 著者:橘 公司
ベティ・ザ・キッド(上) (角川スニーカー文庫)ベティ・ザ・キッド(上) (角川スニーカー文庫)
西部劇風小説なのだけれど、やはり一筋縄ではいかず。裏ではあーだこーだ動いているのだろうなあと仄めかされているのがまたページをめくる手を止めさせません。
読了日:12月07日 著者:秋田 禎信
放課後探偵団 (書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー) (創元推理文庫)放課後探偵団 (書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー) (創元推理文庫)
こいつぁダメだ、と思わせる短編が全くない、そんな精華集。個々の作家の個性がこれでもか、というくらい出まくっているような。こういう試みが、続いてくれるといいな、とも思う。著作リストが、収録誌の何年何月号まで書かれているのは、かゆいところに手が届いた、にくい仕様と思います。気になったら手に取りやすい!
読了日:12月04日 著者:相沢 沙呼,市井 豊,鵜林 伸也,梓崎 優,似鳥 鶏
黒と愛 (ハヤカワ・ミステリワールド)黒と愛 (ハヤカワ・ミステリワールド)
久しぶりの飛鳥部勝則さんの作品。デビュー作近辺の自作画に絡めた方面の作品ではなかったのだけれど、懐かしさを感じる、ああ、飛鳥部さんの作品!と即座に分かるこの作風はすごいと思う。脳みそがくるくるかき混ぜられました。
読了日:12月04日 著者:飛鳥部勝則
ジークフリートの剣ジークフリートの剣
4章までは、全くと言っていいほどミステリの雰囲気を感じさせず。シリーズ探偵がぴょこぴょこと顔を出したあたりで、何かおかしいなあ、と感じつつも。一作目から今作まで、本格ミステリの新局面を開拓しようと試行錯誤しているのでしょう、と強く感じる。一作目はともかくとして、今作では、かなりな成功を収めているのでは、と思う。びっくりだ。なんか最近の感想の決まり文句になっている気はするけれども。
読了日:12月01日 著者:深水 黎一郎
毒吐姫と星の石 (電撃文庫)毒吐姫と星の石 (電撃文庫)
ほわわわわあん。プリキュア・フローラルパワー・フォルティシモを浴びたような。こころが、洗われます。とはいえ、『ミミズクと夜の王』を読んで涙した、あの頃には戻れない。もはや、虚心では読めないのでありまする。個人的に紅玉さんの作品でいちばん好きな路線が、ここなので、雑誌掲載予定のスピンオフも気になるなあ、と。
読了日:12月01日 著者:紅玉 いづき

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