麻見和史 『ヴェサリウスの棺』

ヴェサリウスの柩

ヴェサリウスの柩

表紙が地味だなぁ。
あらすじを読んでいて、想起したのは、
少年時代に観ている途中で恐怖で逃げ出した、
火曜サスペンス劇場の一作、
由良三郎の『円周率πの殺人』であった。
全然話の進む方向は違いますが。

確かに、本格スピリットよりも、ハードボイルド的なものを強く感じるので、
まっとうな本格ではないとか言いたくなりますが…。
ある意味、横溝正史的世界を、現代に持ち込んだようなところを、
私としては評価したい。
となると、ある意味、ロス・マクドナルド的なのか?
受賞第一作でどう出るか。期待して待ちたい。