大倉崇裕 『福家警部補の挨拶』

福家警部補の挨拶 (創元クライム・クラブ)

福家警部補の挨拶 (創元クライム・クラブ)

私は、ほとんどコロンボを見たことがないのです。
あらかじめ言っておきたい。
せいぜいが、比較的最近放送された、作曲家の殺人*1くらい。
なので、この作品、コロンボに捧げる作品なのだろうが、
私には、古畑任三郎が女になったように見えてしまうのだ。
何しろ、舞台が日本ですから。
もっとも、コロンボをたくさん見ていれば、そうは感じないのでしょうが。
古畑任三郎も、コロンボをモデルにして作っていたのでしたから、
そのように見えてもおかしくはないのでしょう。
やはり、最後に意外なところから現れる、核心に触れる証拠が、この物語のいのちでしょう。
どれもこれも私の心を鋭くえぐってくれた。
大変面白い作品でした。

*1:「奪われた旋律」らしい