射逆裕二 『殺してしまえば判らない』
- 作者: 射逆裕二
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/03
- メディア: 単行本
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前作のトリッキーさが好もしく、期待して読んだ。
たしか前作でもあったと思われる、よけいな送りがな*1が改められていないのは、校正の仕事を疑うに値する出来事と思う。
行動原理に疑問を抱かざるを得ない登場人物ばかりで、変人揃いのかの作品を彷彿とさせた。
思わぬところから放たれる結末は、心なしか後出しじゃんけんのような様相も備えていた。
巻末に、次回予告が付されていて、その刊行予定がこの本の刊行二ヶ月後に設定されていた。
もし、刊行がその予定通り続くのならば、小説版の「金田一少年の事件簿」を狙っているのではないかとも思われる。
けれど、かの作品のようなおどろおどろさは皆無で、むしろ洗練し損なっているスタイリッシュといった趣。
ワトスン役の一人称であるので、その点でも異なることになる。
*1:「開く」が「開らく」