平山瑞穂 『忘れないと誓った僕がいた』

ファンタジーノベル大賞受賞後第一作目の長編。
『ラスマンチャス通信』のようなヘンな話が好きな私は、あまりにまっすぐに愛を歌いあげるこの作品は、嫌いじゃないのだけれどこの方向性は望まないな。と思っている。
今、と言うよりちょっと前の、純愛ブーム?『世界の中心で愛をさけぶ』とか、『今、会いにゆきます』のような方向性の作品のように思えたのでした。
心にキュンとくるような、せつない作品ではあるのですが、それだけで終わっているように思うのです。
はじめに華麗な変化球(に思えた)を見せられているので、今回のこころもち変化球のこの作品は、本気を出し切っていないようにみえたのでした。