今日の読了本

「コスチューム!」 将吉

ボイルドエッグスの第三回新人賞の受賞作。
コスの元ネタにひどくシンパシーを感じてしまうのは同い年のせいか。
章のタイトルと内容がほとんど一致していないと言うのは、ちょっとひどすぎる気がする。
ここが著者の心の叫びなのか。
終盤ちょっと駆け足気味にはなしが転がっていってしまったのがちょい残念、かも。

「天の前庭」 ほしおさなえ

哲学者東浩紀の妻にして翻訳者小鷹信光の娘である著者の、このレーベルでの二冊目。
ミステリという型を、使って何か新しいことをしようとしているように思う。
ある意味叙述トリック的ではあるが、その型に嵌っていない。
今年度のベストには入らないにしても、それに匹敵するくらい、と私は評価したい。

クラッシュ・ブレイズ ヴェロニカの嵐」 茅田砂胡

サバイバル!
描写にリアリティがあるように感じるのはこちらの経験のなさが反映されているのか。
それとも著者の想像力の掌の上で、踊らされているのか。

オリエント急行パンドラの匣」 はやみねかおる

一応主役を張るべき二人が、後景に退いてしまったように思う。
語りたかった物語が、そちらに向いていないように感じられた。
海賊の息子と探偵卿の娘のラブストーリーに視線が向いている。