今日の読了本

「生首に聞いてみろ」法月綸太郎

折り目正しい真っ当な本格ミステリ
どこを切っても本格ミステリの血しか流れ出てこない作品。
ロス・マクドナルドが得意とした「家族の悲劇」をモチーフにした作品、だと思う(とはいえ私は「さむけ」しか読んでいない)。
昔の長編、及び短編(こちらは最近のも含む)の方が、ケレンみたっぷりのものだった。
私は、そちらの方が好きだったのだが、これはと言えばどちらかというとハードボイルドに傾斜している嫌いがあると思う。
万人受けはすると思うが、あまり冒険的な試みをしていない、安全牌を切ったらこのような形になった、そんな感じさえする。