褚盟 『謀殺的魅影』推薦50冊リストのはなし

中国の推理小説がダメな3つの理由=島田荘司絶賛の推理小説史『謀殺的魅影』―北京文芸日記 : 中国・新興国・海外ニュース&コラム | KINBRICKS NOW(キンブリックス・ナウ)とか日本有名作家の推薦文を捏造か=推理小説史『謀殺的魅影』問題について―北京文芸日記 : 中国・新興国・海外ニュース&コラム | KINBRICKS NOW(キンブリックス・ナウ)で話題になっている本ですが、
巻末に興味深い付録が付属されており、それを見ると中国人はどのようなミステリを必読、と思っているのかを推測できるだろう、という代物。
中国で一番ミステリに詳しいだろう編集者のチョイス、どんなものか。
では、そのリスト、いってみよう!
ただし、掲載順ではなくて国別に並べ替えてます。該当する書籍がない場合、直訳かそれに準ずるものになっています。

1.アメリ
・E.A.ポオ『ポオ小説全集』
エラリー・クイーンギリシア棺の謎』
エラリー・クイーン『Xの悲劇』
ディクスン・カー『三つの棺』
ヴァン・ダイン『カナリヤ殺人事件』
レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』
ダシール・ハメット『マルタの鷹』
・デイリー・キング『空のオベリスト』
アイラ・レヴィン『死の接吻』
ジェフリー・ディーヴァーボーン・コレクター
ローレンス・ブロック『八百万の死にざま』
・E.D.ホック『サム・ホーソーンの事件簿』
パトリシア・コーンウェル検屍官
ポオ小説全集 1 (創元推理文庫 522-1)ギリシア棺の謎 (創元推理文庫 104-8)Xの悲劇 (角川文庫)三つの棺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 カ 2-3)カナリヤ殺人事件 (創元推理文庫 103-2)長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1))マルタの鷹 (ハヤカワ・ミステリ文庫)空のオベリスト 世界探偵小説全集(21)死の接吻 (ハヤカワ・ミステリ文庫 20-1)ボーン・コレクター 上 (文春文庫)ボーン・コレクター 下 (文春文庫)八百万の死にざま (ハヤカワ・ミステリ文庫)サム・ホーソーンの事件簿〈1〉 (創元推理文庫)検屍官 (講談社文庫)

2.イギリス
コナン・ドイル『≪シャーロック・ホームズ≫シリーズ』
・G.K.チェスタトン『≪ブラウン神父≫シリーズ』
・E.C.ベントリー『トレント最後の事件』
・F.W.クロフツ『樽』
アガサ・クリスティアクロイド殺し
アガサ・クリスティそして誰もいなくなった
・アントニィ・バークリー『毒入りチョコレート事件』
・D.L.セイヤーズ『殺人は広告する』
・ジョセフィン・テイ『時の娘』
シャーロック・ホームズの事件簿 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)ブラウン神父の童心 (創元推理文庫)トレント最後の事件 (創元推理文庫)樽 (ハヤカワ・ミステリ文庫)アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)毒入りチョコレート事件【新版】 (創元推理文庫)殺人は広告する (創元推理文庫)時の娘 (ハヤカワ・ミステリ文庫 51-1)

3.ベルギー
ジョルジュ・シムノン*1『≪メグレ警部≫シリーズ』
メグレ警視の事件簿〈1〉 (偕成社文庫)

4.フランス
ポール・アルテ『七番目の仮説』
七番目の仮説 (ハヤカワ・ミステリ 1815 ツイスト博士シリーズ)

5.日本
江戸川乱歩二銭銅貨
・大阪圭吉『銀座幽霊』
横溝正史『本陣殺人事件』
高木彬光『人形はなぜ殺される』
松本清張『点と線』
森村誠一人間の証明
島田荘司占星術殺人事件
島田荘司『斜め屋敷の犯罪』
綾辻行人十角館の殺人
有栖川有栖『双頭の悪魔』
二階堂黎人『吸血の家』
芦辺拓『殺人喜劇の13人』
麻耶雄嵩『鴉』
西澤保彦『解体諸因』
森博嗣すべてがFになる
京極夏彦姑獲鳥の夏
我孫子武丸『殺戮にいたる病』
山口雅也『生ける屍の死』
道尾秀介『シャドウ』
伊坂幸太郎『オーデュボンの祈り』
桜庭一樹赤朽葉家の伝説
宮部みゆき『理由』
東野圭吾容疑者Xの献身
東野圭吾白夜行
湊かなえ『告白』
日本探偵小説全集〈2〉江戸川乱歩集 (創元推理文庫)銀座幽霊 (創元推理文庫)横溝正史自選集〈1〉本陣殺人事件/蝶々殺人事件人形はなぜ殺される 新装版 高木彬光コレクション (光文社文庫)点と線 (新潮文庫)新装版 人間の証明 (角川文庫)占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)斜め屋敷の犯罪 改訂完全版 (講談社ノベルス)十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)双頭の悪魔 (創元推理文庫)吸血の家 (講談社文庫)殺人喜劇の13人 (講談社文庫)鴉 (幻冬舎文庫)すべてがFになる (講談社文庫)解体諸因 (講談社文庫)文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)殺戮にいたる病 (講談社文庫)生ける屍の死 (創元推理文庫)シャドウ (創元推理文庫)オーデュボンの祈り (新潮文庫)赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)理由 (新潮文庫)容疑者Xの献身 (文春文庫)白夜行 (集英社文庫)告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

現在中国語に翻訳されているもの、ただし台湾ではなく、大陸で、という限定を付けると、
こういう結果になってしまったのかなあ、という気がしないでもない。
ポオとドイルとチェスタトンシムノンがほぼ全部、という扱いになっているのは、
単純に単著で出ていないからでしょうけど……
クイーンとクリスティ、島田荘司東野圭吾が二冊ずつチョイスされているのは、
何かの陰謀を感じなくもない。普通こう言うのはかぶらないようにするだろ……
さすがにここに掲載されているものすべて読んでいるわけでないので、
すべて読んでいる識者の分析を仰ぎたい。

*1:フランス語で書かれておりフランス作家と見なされていますがベルギー出身の作家であり原著でもここに分類されているのでここに。