1月の読了本

途中10日ほど旅行に行っていた割には読めてた方か。
とはいえ、2月下旬から国外、もう少し読んでおきたいもの。

1月の読書メーター
読んだ本の数:19冊
読んだページ数:6812ページ

手焼き煎餅の密室 (創元推理文庫)手焼き煎餅の密室 (創元推理文庫)
連作短編集でこの趣向を味わうことになるとは思わなかった。うん。これ以上はネタバラシになるから書けない!
読了日:01月31日 著者:谷原 秋桜子
GOSICKs〈3〉ゴシックエス・秋の花の思い出 (富士見ミステリー文庫)GOSICKs〈3〉ゴシックエス・秋の花の思い出 (富士見ミステリー文庫)
今までの短編集が比較的穏当に終わっていたから、これもそう終わると思っていたら、嗚呼!宙づりです。リアルタイムで読了していた人たちは、さぞかし今回のシリーズ再開を心待ちにしていたことでしょう!と思う。花と花言葉に彩られた短編集、堪能しました。
読了日:01月31日 著者:桜庭 一樹
フリーター、家を買う。フリーター、家を買う。
タイトルから想像していた以上に重い話の様でいて、実に軽快に物語は転がり。有川さんの話はこうなのよねえ、と強く思うこの小気味よさ。やっぱり最後はこうなるのよねぇ。
読了日:01月29日 著者:有川 浩
“文学少女”見習いの、傷心。 (ファミ通文庫)“文学少女”見習いの、傷心。 (ファミ通文庫)
エラリイ・クイーンや法月綸太郎のように、悩める探偵のようでいて、「想像」するという言葉で逃げを打っているあたり、探偵小説の抱えているあの問題に面と向かっているわけではない、と。本シリーズでは積極的に介入する割合が多めなため、一層違和感も増すもの。単一の解決を求める事件と、複数の解釈を許す(許さざるを得ない)小説との食い合わせの悪さが、特に露呈したプロットのように感じる。こう処理されなければ、もっと響いたのに、とも思ったり。
読了日:01月28日 著者:野村 美月
“文学少女”見習いの、初戀。 (ファミ通文庫)“文学少女”見習いの、初戀。 (ファミ通文庫)
やっぱり”文学少女”シリーズミステリィっぽいんだなあ。今回は特に、人死が関わってくるし。ただ、全般的に言えることは、日常の謎寄りの解決手法を使っているように見えて(推測に過ぎない点を強調しがち)、少し居心地が悪いなあ、と。すっきり、スカっとしたい時には向かないなあ、とも思う。日本ならではの情趣(じょうちょとは読まない)を感じるにはこの曖昧さが強力な効き目を発揮するのだけれど。
読了日:01月27日 著者:野村 美月
十三角関係 名探偵篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈2〉 (光文社文庫)十三角関係 名探偵篇―山田風太郎ミステリー傑作選〈2〉 (光文社文庫)
物理トリックが使われている作品は全般的に微妙、と言わざるを得ないのだけれど。それ以外、心理トリックであったりアリバイトリックであったり、読者を手玉に取るようなことをされると、ただ踊らされるだけ、と言った感じ。凄かった……!
読了日:01月27日 著者:山田 風太郎
愛おしい骨 (創元推理文庫)愛おしい骨 (創元推理文庫)
事件の舞台になる土地に近いところへ行ってから、読み進めることになったために臨場感が出て。なぜか『MONSTER』のような話の印象を受けた。いろいろと気持ちがすれ違ってるなあ、というあたり。
読了日:01月25日 著者:キャロル・オコンネル
ちみどろ砂絵・くらやみ砂絵―なめくじ長屋捕物さわぎ〈1〉 (光文社時代小説文庫)ちみどろ砂絵・くらやみ砂絵―なめくじ長屋捕物さわぎ〈1〉 (光文社時代小説文庫)
時代推理は初めて、かな?冒頭の「よろいの渡し」がちと読み辛かった以外は、比較的サクサク読めて。時代推理と思って舐めて掛かると足元を掬われるのは、著者が都筑道夫さんというところから察するべきでした。江戸時代が舞台ということで、全般的に内容は地味なのですが、それを帳消しにするようなロジックの冴え!傑作です。
読了日:01月18日 著者:都筑 道夫
GOSICKs(2) ―ゴシックエス・夏から遠ざかる列車― (富士見ミステリー文庫)GOSICKs(2) ―ゴシックエス・夏から遠ざかる列車― (富士見ミステリー文庫)
ひと夏の恋物語。おおかたの想像通りのふたりだけではなく、あちらこちらに飛び火した、甘酸っぱい恋の味。ロマンチックな出会いと別れ、そして……!堪能しました。
読了日:01月14日 著者:桜庭 一樹
GOSICK〈6〉ゴシック・仮面舞踏会の夜 (富士見ミステリー文庫)GOSICK〈6〉ゴシック・仮面舞踏会の夜 (富士見ミステリー文庫)
密室殺人と毒殺はミステリの華(嘘)。続編が刊行される、と聞かなければ、ここで終わっても何ら問題のないそんな終局。君が望む永遠のおまじないとか、少女革命ウテナの最終回とか、そういった思い出されるものがちらほらあって。はあ、好きだなあ、これ、と思わずにいられない。
読了日:01月13日 著者:桜庭 一樹
GOSICK(5) ―ゴシック・ベルゼブブの頭蓋― (富士見ミステリー文庫)GOSICK(5) ―ゴシック・ベルゼブブの頭蓋― (富士見ミステリー文庫)
メンツェルのチェスプレイヤー。特殊な知識がないと解けないミステリは解決編前に作中での解説が必須なのですが、なかったのでその点、ミステリととしてみるとマイナスポイント。彼と彼女の仲が進展した点は、大きくプラスポイント。きゅーきゅーきゅーとな作品です。
読了日:01月12日 著者:桜庭 一樹
GOSICKs ―ゴシックエス・春来たる死神― (富士見ミステリー文庫)GOSICKs ―ゴシックエス・春来たる死神― (富士見ミステリー文庫)
ホームズとワトソンの出逢い、ボーイミーツガール仕立て。なんてロマンティックな出逢い!こういうのに、あこがれるなあ、とか思う。短編一発目が「名探偵コナン」の第1話とダブるのは、もしかして、同じホームズオマージュだったから?(ホームズは余り読んでいないので同種のトリックがあるとかないとかは知りません)
読了日:01月11日 著者:桜庭 一樹
GOSICK (4) ゴシック・愚者を代弁せよ (富士見ミステリー文庫)GOSICK (4) ゴシック・愚者を代弁せよ (富士見ミステリー文庫)
物語に大きな進展があった、という意味では派手な話ではあるものの、部分としてみるとなんだか地味。大きな物語が、ほしいのよ。そんな言葉が似合う。混沌の欠片にふさわしい、そんな物語。
読了日:01月09日 著者:桜庭 一樹
丘ルトロジック  沈丁花桜のカンタータ (角川スニーカー文庫)丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ (角川スニーカー文庫)
ミステリらしい、という話を聞いたので読んでみたのですが、結論としては本格ミステリではなかった。第1部の腰抜け級の結末をみて、本格としてみるのはやめました。で、作品としてはですが、キャラクタは良かったり、十牛図が出てきたり、いろいろ要素的には面白いのですが、うまく溶け合っていないなあ、と。煮込む時間が必要かな。
読了日:01月07日 著者:耳目口 司
太陽が死んだ夜太陽が死んだ夜
金城鉄壁な密室は大抵パターンが決まっておりまして……。おおよそ密室殺人など似合わない、わかい年ごろの女性ばかり集まる学校で、猟奇的な事件が連続して起こり。実行性の面ではちょっと無茶じゃね?と思わなくもなかったり。若干馴染みの土地の事件でしたので、興味深く読みました。ミステリ的な面より、歴史的事実の方が興味をそそってしまったなあ、なんて思ったりもする。
読了日:01月07日 著者:月原 渉
三匹のおっさん三匹のおっさん
なんて理想的な親子関係、というやつで。そうでないところもちらほら見えはしますが。彼のような空気の読める孫になりたい。ベタと言えばベタな展開の話揃いですが、それが絶大な安心感を呼んでいるのかも。大変面白かったです。
読了日:01月06日 著者:有川 浩
郷愁という名の密室郷愁という名の密室
読書メータに書かれてる感想をみると、結構貶されてますが、そこまではひどくなかったなあ、という印象。前作の『完全恋愛』と比べると、数段落ちるのは否めませんが(事件を複雑にする根幹が余りに見え透いているため)、結末のほろ苦さは、なんかいいなあ、と思わせるに足ります。そういう経験のまだない、アラサーまでのあたりが意外にもターゲットになっていたりして。
読了日:01月05日 著者:牧 薩次
お初の繭お初の繭
パラサイト・イヴ』のような上品の皮を全く被っていない、そんなホラー小説。表紙だけ見ていると、非常に上品な、何か哀れみすら掛けたくなるような、そんな雰囲気を感じてしまいますが、結論としては真反対の。フリークとかふたなりとかフルチンとか、まあ、おおよそ上品とは思えない文字列があちらこちらに産卵して。そこもまた愛おしい。大賞かどうかは別にして、非常に楽しみました。
読了日:01月03日 著者:一路 晃司
探偵小説のためのヴァリエイション 「土剋水」 (講談社ノベルス)探偵小説のためのヴァリエイション 「土剋水」 (講談社ノベルス)
新年一発目の読了はこれ。うげらぼあ。当日、になるまでが、余りに独特のスラプスティックな口調で繰り広げられるものだから、前作を読んではいれども辛いものがあった。けれども。彼女が囚われの身になってからの急転直下、畳み掛けるような論理のわざ、耀ける論理が支配する未来がみえた。
読了日:01月02日 著者:古野 まほろ

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