森見登美彦 『きつねのはなし』

きつねのはなし

きつねのはなし

物語の森に、踏み込んで。
京都という町で起こる四つの物語。
その四つの物語は、重なり合うようで、微妙にずれていく。
真っ直ぐな道を、ただただ歩いているだけのはずなのに、
右へ左へ蛇行しながら歩いていた、そんな感じを受ける。
いままでの作品にあった洒脱さはなりを潜め、
今作は至ってシリアス、かつ神秘的。
個人的には今年読んだ本の中でのベスト候補。