平山夢明 『独白するユニバーサル横メルカトル』

独白するユニバーサル横メルカトル

独白するユニバーサル横メルカトル

厭な小説、というカテゴリがあるならば、
間違いなく筆頭にあげられるだろう。
読んでいるうちに、なんだか嘔吐感を催してしまう。
精神の安定していない人、気持ち悪いモノ・コトに耐性のない人は、
けして読んではならない。
それほどまでに、劇薬。
後味が悪い小説、というモノとは違うのだ。
それは、そこまでは、それなりにイイ気分にさせてくれるのだから。
これは、そうではなくて、よい気分にさせてくれるのではなく、
なんだか、ダウナーな気分のまま、沈鬱な気分のままで、
それを持続させるような効果がある。
危険な本だ。
そんなこんなで、読む人を選ぶでしょう。