テネシー・ウィリアムズ 『欲望という名の電車』

欲望という名の電車 (新潮文庫)

欲望という名の電車 (新潮文庫)

基本的に、劇脚本なんて読まない人なのです。
芝居を見に行く時で、なおかつ脚本が公刊されている時以外は。
単純に、読み方を把握していないというだけなのかもしれませんが。

先頃読んだ、『チョコレート・コスモス』で印象的に使われていて、
すごく中身が気になって。
ようやく読んだという次第。

タイトルだけは知っていた。比較的有名な作品なのだろう。

やはり、小説とは読み方が違う。
キャラクターを把握するのが難しいから。
確かに、その存在を規定するような描写はあるのだが、
解釈しうる幅が小説よりも広い。
だからこそ、多くの俳優・女優がその人ならではのキャラクターを作り出すことが出来るのだろう。

で、この作品。
正直序盤は結構取っつきにくかったのですが、
中盤から物語が動き出すにつれて、
非常に読みやすくなってくる。

現代の目で見ると、非常にイタい女の物語に見える。
結末も、人によって見方がかなり変わってきそう。