今日の読了本

「看守眼」 横山秀夫

タイトルからは、今まで通り刑事物の短編集だろうと類推されるものの、実際はけっこうごった煮の職業ものの短編集。
基本的に水準を下回ると言うことがないので、安心して読むことができる。

「No.6 #1」 あさのあつこ

子供が読めば冒険・脱出もの。大人が読めば、けっこう深読みのできる奥行きの深い作品。
ガジェットとしてはSF風味も加えられており、飽きさせない。

「AMEBIC」 金原ひとみ

アメーバのように拡散していく「錯文」。
実際その錯文は「電波受信者」の書くハリガミのような文章ではあるのだが、抑制が利きすぎていて作為すら感じてしまう。
だから、錯文が上手く内容と噛み合っているかと言えば、少々怪しいところもある、というのが私の印象。
ただ、全体としてみると実に手堅くまとまっている、と思う。