今日の読了本

「過ぎる十七の春」 小野不由美

久方ぶりに読む小野不由美の作品でした。
日常描写の積み重ねで進んでいく序盤を読むのが少々きついですが、そこを乗り越えて登場人物のひとりが変貌を遂げたあたりから俄然面白くなる。
事態は解決の方へ向けてアクセルかかりっぱなし。
後は急転直下、読むスピードは上がりっぱなしでしょう。
そういえば、「屍鬼」でもある意味登場人物紹介だった上巻よりも、事態が動き出す下巻の方が読むのに時間がかからなかったな、と思いだした。
この作品、ほとんど全ての事項が理に落ち、割り切れない物がほとんど残らないため、ホラーとしては少し失敗というふうにも思える。
ただ、ひとつの作品としてみた場合は、事態は変わってくる。
何よりも、アンハッピーエンドではないからだ。
実に望ましい健全な作品だと思う。