「ブロディーの報告書」

南米の作家、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短編集。
一編一編が至極短く簡潔である。
ほぼ全て「聞いた話」に手を加えたもの。
あまりそちらの国のことをよく分からないせいか、
ある種のファンタジーとして読んだ。
不思議な経験だった。
英米文学ならば比較的容易に作品世界に入り込めるし、感情移入もしやすいのだが。
文字通り「別世界」のこと、が描かれているように感じた。
なんだかよく分からない話もあったものの、また、読んでみたい話を書く作家だった。