今日の映画

「CUBE」と「CUBE2 HYPER CUBE」を見た。
前者は1997年、後者は2002年に撮られたものだ。
まずは前者の感想を。
緊迫感あふれる人間ドラマ。たかだか6、7人しか登場しないゆえ、人物の掘り下げもいたって丁度良い。
「死」という避けられない障害を前に立ち向かう人々の葛藤。
そして「死」を内包する「キューブ」の謎。
様々な謎が次々と解かれていき見る側を飽きさせない。
各キャラクタに存在意義があり、それすら飽きさせないための材料としている。
最後にあかされる彼の正体(イディオット・サヴァン)というのも、知っていればより楽しめる。
痛快ではない(生き残るのがたったの一人だけだから)けれども、娯楽映画としてはすばらしく良いできだ。
ただし、「キューブ」の存在理由、存在位置が全く明かされないのが、不満といえば不満か。
そして後者の感想。
二作目であるゆえ妙なプレッシャーがあったのだろうか。
「四次元立方体」というものをアイデアの中心に据えたのは良かった。
しかし、その結果、前作では重みを持って立ちはだかっていた「死」というものが、結果的に軽くなり、観客の持ちうる恐怖感が著しく減殺されてい待ったのはいただけない。
さらに、前作では登場キャラクタ各自に存在意義・理由が決定されていたが、こちらではそれが弱い。
故に、前作よりも採点するとするならば減点せざるを得ない。
こちらでは「キューブ」の正体があらわにされるが、あくまでもこちらの物語上での「キューブ」の正体なので、前作との繋がりという面でも、稀薄である。
とはいえ、「キューブ」というアイデアは秀逸であり、改めて第三作が作られる可能性もあるだろう。